私は幼い頃に釣りと出会って、それと同じ頃から音楽もずっと続けています。
誰かに習ったことや師事していたようなことはないので完全に独学なのですが、好きと継続が高じて講師までやってました(声楽、演奏メソッド)。
私の中で音楽と釣りの間には多々共通する点があって、事実、音楽仲間やミュージシャンなんかを見ても非常にアングラー率が高いように思います。それはたまたまかもしれませんが。
そんなこんなで、今回は私が考える釣りと音楽との関係性を3点だけダラダラと書いてみようと思います。
【絶対音感と相対音感】
現代の確立された音楽において、楽器は基準のA音(ラ)を440Hzでチューニングします。絶対音感とは、この「正しい」ピッチでドレミを発音します。つまり、仮にバンドでギターとベースが435HzでA音をチューニングしていたら「微妙にフラットしてて気持ち悪い」ってことになります。
それと反して、相対音感というのはどんなピッチで音が鳴ってもそれに呼応した発音ができます。演奏でのアドリブはこの相対的に音を感じ取る力が重要です。
残念ながら、日本の音楽教育では何故か絶対音感を重要視する傾向が強く、「絶対音感スゲェ!」みたいな風潮が消えません。
私が思うに、音楽だけではなく、生活の中のほぼあらゆる事象は相対性の上に成り立っています。釣りだってもちろんそうです。絶対的なことなんてほとんどありません。
例えば、「今はバチ抜けの時期だからシンペンで表層狙えば釣れる」と固定観念を持ってフィールドへ出たら全くバチが抜けてない、それどころかバチを意識した個体がいなくて、ベイトはコノシロだった、なんて美味しい場面。相対的、つまり状況に応じて考えれば、「バイブレーションでベイトのいるレンジを探ってみよう」とか「ベイトの群れに埋もれてるからルアーのサイズを大きくしてアピールしよう」とか、いろいろと対策が出てきます。この状況で「バチ抜けシーズンだから表層をにょろにょろで」なんて馬鹿正直にやってたら残念なことになります。
つまり、釣りも状況次第、実際にフィールドに出て、目で見て、耳で聞いて、投げてみて、そこから得た断片的な情報を繋げてその時々の最良なアプローチを組み立てる、それが攻略の近道であり醍醐味であると考えています。
【基本を軸にしたスケールアウト】
演奏メソッド、特にジャズにおいてはモードとスケールというものが非常に重要な鍵となります。あまりに奥深いものなので理論の説明は省きますが、要は「この調の時はこれらの音の組み合わせが使えますよ」って話で、例えば「ハ長調ならドレミファソラシが使えますよ、但しファの使い方には気をつけて下さいね(Cアイオニアン)」ということです。
これは作曲や演奏の際に「ハズレのない音」を選択するための理論であり、無視すると音を外しまくります。
しかし、この理論はあくまでも基礎であり、これに縛られてしまうと無難で面白みに欠ける演奏しかできなくなってしまいます。
そこで演奏に奥行きと幅を与えるのがスケールアウトです。これは文字通り「意図的にスケールから外す」ということですが、あくまで理論と経験によって培った技術・感覚を軸にしてこそ成し得る技です。
釣りでも、ある程度確立された一般的なメソッドに則って釣りをすれば釣果は出ます。しかし、それに縛られてみんなと同じことをやっているのであれば、「みんな釣れてないし、自分も釣れない」という状況に陥るのです。当然ですね。
上に書いた「相対性」にも通じますが、状況に応じていろんなことを試せば、例外的なパターンや一般論から離れた魚の行動が見えてくることがあります。毎年、冬や夏の渋い季節になると「なんでsandijazzさんだけ釣れてんの?何か反則技でも使ってんの?イカレてるの?変なクスリやってんの?」という質問攻めに遭います。これに関しても、一般と我流のアプローチが違うから、ただそれだけだと思っています。とにかくその日その状況でのパターンを掴むためにいろいろ試します。やってもみないうちから「そんなので釣れるわけないよ」ってのはナンセンスです。
参考:私の好きなギタリストの一人、ジョン・スコフィールドがマイルス・デイヴィスのバンドにいた頃の映像。コンビネーション・オブ・ディミニッシュト・スケールという理論的なアウトが効いたスリリングな演奏です。
【リズム感・タイム感】
これはそのままですが、リールを巻く、アクションを入れる、波や風に呼応したキャストをするなど、釣りの中には随所にリズムがあるような気がします。
特に私は釣りをやる上で「再現性」という課題を抱えて向き合っているところがあります。長年やってて感じるのは、リトリーブスピードと波やうねりのタイミングは魚の捕食スイッチに大きな影響をもたらすということ。どの早さでルアーが泳いで、どんな波のタイミングでバイトがあったか。その状況をもう一度再現するために必要なのは前回のキャスティングのタイミングとリトリーブを出来るだけ詳細に記憶しておくことです。私は年に何度か数釣りを成功させることがあるのですが、それはほとんどの場合、その日その状況で再現性のあるパターンを掴むことができた場合です。
まぁ、これに関してはまだ私自身漠然としているので、そんなこともあるかも、って程度で。
以上のことはあくまで私自身に当てはめたものであって、音楽やる人は釣りが上手いとか、そんなのは全く関係ありません。
事実、私の知ってるセミプロレベルのアングラーさんは、楽器できない、歌うの下手糞(すみません!)ですが、ソルトルアーやらせたらピカイチです。これまで10戦以上勝負して、私は4勝しかできてません。こう言っちゃなんですが、私も下手じゃないと毎回自信を持って戦いに挑むのですが、いつも私より1本多く、10cm大きく差をつけてきます。目の前で90cm上げられた時には横でにこやかに「バラせ!フック折れろ!ってか落ちろ!」って願ってましたからね。
ところで、最近のシーバス漁はと言うと、辛うじてずっと連勝が続いていたものの、先日ついに見事なボウズを食らってしまいました。
早くリベンジに行きたいのですが、このところの寒の戻り&悪天候でフィールドに出られずです。今夜も予報では風速10mとか。
いくら経験があっても危ない釣りにはご注意下さい。
水温下がりまくって非常に苦戦しそうですが、明日辺り天候回復すればまた状況を見に行こうと思います。
音楽と釣りにおける共通性
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僕。sandijazz。
「アングラー歴=年齢-4」という釣りがデフォな人生を送る三十路ナイスガイ。博多湾の中でも特に室見川~今津湾までという狭いフィールド内でシーバスの生態観測を行っている地域密着型アングラー。基本的に右利きなのに左キャスト/右リトリーブという少数派。オカッパリ派(ウェーディングは年に1、2回程度)。魚の生態に関する知識と感覚の鋭さを釣りの糧とする。理論派であり現場主義、経験と実力・実績こそ全てだと考える類の人。「無難」を嫌う超High-stakes気質。定期的にランカーを見ないと精神衛生を乱すほどの大物志向でありながら、ライトタックルでの小魚の数釣りに超はしゃぎまくるラブリーさも持つ。NPO法人バーブレスフック普及協会会員。ラインシステムの研究やルアー製作まで行うド変態、しかもルアーコレクター。シーバスの他にも、ロックフィッシュ(ハタ系・カサゴ系)、アジ、メバル、クロダイ、ナマズ、ブラックバス、雷魚、ヤマメ等、四季折々の釣りをルアーで嗜む。
自己記録:マルスズキ100.5cm、ヒラスズキ70cm、有明鱸89cm、有明ターポン(ヒラ)52cm、シイラ148cm/18kg、キジハタ48cm、メバル32cm、カサゴ35cm、ナマズ72cm、カムルチー94cm、ヤマメ42cm、ニジマス54cm。
実は一企業(小)の事業主。ブランディングディレクター/デザイナー、フロントエンドエンジニア、コピーライター、グロースハッカー。英語・タガログ語(使う機会がなく忘れ気味)・博多弁のトリリンガル。声楽家(元講師)、演奏家(10種以上の楽器を奏でる変態)。レガシィBH5(MT)乗り。とにかく器用。知的探究心の塊。類稀なる強運さに定評あり。
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メルアドも晒すよ!
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2 コメント:
↑これどう見積もっても俺やろ!音痴で悪かったな!!(笑)
「落ちろ」て何やねん!!(笑)
今年は屈辱のリバー対決をリベンジせなあかんから、こっちも今のうちから作戦考えながら投げ込んどるよ。
んで、今このブログもザーッと読ませてもらって、お世辞やナシに色々タメになったわ。流石やなー。
なんか火ついたし、負けられんな(・`ω・)
また近いうちに連絡するよ!
たまにはタックル持ってこっちにも遊びにイラッシャイ♪
> 関西兄
あ、ごめんなさい、下手じゃなくて「味がある」って書いたつもりだったんですけどねw
いや、毎度ながら良い釣り見させてもらってます。自分にはないアプローチで渋い状況も打破してしまうそのセンスは、流石としか言いようがないです。
でもリバーなら負けないんですけどねー。
今年は何とかサーフで1勝したいです。次回は是非サーフ行きましょう。
でもリバーなら負けないんですけどねー。
なかなか関西に行く機会はないんですけど、今度時間ある時は普段行かないようなエリアへ遠征したいですね。
また良い釣りができることを楽しみにしてます!押忍!
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