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キャストからリトリーブまでのお話

 大変ご無沙汰しております。硬化してしまったウレタンの容器が家にたくさんある男、私です。
なんだかまたバタバタしてて、ブログを更新するという概念すら消えかかってました。生きてます。

今回はだいぶ前にメールでご質問頂いてた件について少しお話しようと思います。ネタもないしね!
お題は、あらゆるルアーフィッシングにおいて要となる、キャスティングからリトリーブまでの一連についてです。

まずキャスティングについて。
対岸までが50mを切るような小場所や高活性な魚影の濃いポイントでない限り、ほとんどの局面で飛距離とアキュラシー(キャスティング精度)はアドバンテージを生みます。
私は通常、大体80~90%くらいの力でキャストするようにしてますが、人間は100%のパワーでいわゆるフルキャストをすると、どうしても精度との両立が難しくなります。飛距離は出ても狙いのピンを撃てないのであれば単に疲れるだけです。なので、そのバランスが保てる範囲での力加減を覚えることが大切です。
私の場合、中学生の頃はよく河川敷でキャストの練習をしてました。ルアーの代わりにナス型オモリを付けて、空き缶にぶち当てるという単純明快な練習です。無風状態であれば大体50m先まである程度のアキュラシーを保てるくらい投げ込みました。
着水点をコントロールできるようになると、例えばドリフトの釣りで最適なリトリーブスピードをキープしつつ且つ狙いのピンポイントでルアーをターンさせるといった技が効くようになります。アキュラシーは決してストラクチャー撃ちのためだけの技術ではありません。

キャストの仕方については人それぞれのスタイルがあるかと思います。私はもともとペンデュラム式で覚えて、それを小場所でも応用できるように変化させた自己流のキャスティング法を使ってます。一般的にはオーバーヘッド式が多いと思いますが、「飛ばす」という目的に対する基本の考えはどれも同じです。
他のアングラーさん達のキャストを見せてもらうと、特に歴の浅い方々は上手く投げることができてないことが多々あります。音だけでも分かりますが、決まって「ヒュン」と高く短い空を切る音がします。これはロッドのティップだけで投げてて、しかもルアーのウェイトがロッドに乗ってないために起こる特有の音です。
私はどちらかと言うともう変態に近いので、ルアーのウェイト構造(重心移動か固定重心かマグネット式か等)や形状、重さに応じて垂らしの長さ、振り抜きのスピード、角度等を微妙に変えてますが、そこまでしなくても、基本はしっかりとロッドにウェイトを乗せて(ティップだけではなくバットまで)、バランス良く振り抜けば誰でも飛距離を稼げます。高切れの頻発に悩んでいる方もノットやラインの質云々ではなく、実はキャスティングに問題がある場合も多々あります。自信のない方は是非「音」と「重み」を意識して練習してみて下さい。

次に、いろいろすっ飛ばしますが、着水からリトリーブについて。
私が釣っている姿を見たことがある方は気付いているかもしれませんが、私はキャストしてルアーの着水直後(または直前)にサミング気味にライン放出を止め、ベールを返して不要なラインスラックを回収した後にロッドを高く煽ったり、風向きに合わせてロッドを動かしたりという奇妙な動作を行います。これはルアーの向きや水噛み、移動式ウェイトの調整等を行いつつ、一番の目的はいわゆるラインメンディングです。
明るい状況のベタ凪で試してもらうと分かりますが、着水そのままでリトリーブしていると水面に落ちたラインは意外にもクネクネと曲っています。巻いていると水の抵抗もそれなりに感じるので、気持ちとしてはピンと張ってるつもりですが、実はラインのテンションは決して一定ではありません。これは水面だけでなく水中でも同じ事が言えます。
糸電話の原理と同じで、水流の変化や魚からのバイトを出来るだけ高感度に拾うには、可能な限りラインを直線に持っていく必要があります。そこでこのラインメンディングの有効性は決して無意味なことではないのです。
私は0.8号PEに長めの12~20lbナイロンリーダーと比較的細めのラインシステムですが、ラインを太くすればするほど弛みが起こりやすい傾向があります。
最近、村岡昌憲さんが「シャローフィネス」というスタイルで極端に細いラインシステムを提唱されていますが、その中でも上記同様ラインメンディングの有用性を挙げられていました。私よりもずっと考えがプログレッシブです。流石ですね。

そんな感じで、ちょっと時間がなくなってしまいました。
またこの辺のお話はいつか書きましょう。

さて、室見川河口にもようやくまとまったカタクチイワシが差すようになってきましたが、最近は手のひら~自家用グリル塩焼きサイズまでのセイゴが異常なほどに湧いてますね。先月末辺りの週末に午前中2、3時間デイ釣行して、「レンジ刻めばそのうち良型も」と期待しましたが、結局そういうセイゴが邪魔をして、50匹くらい釣ったところで心が折れて帰りました…。
ナイト釣行にはもちろん頻繁に出てますが、こちらもチビがメイン、しかも夜光虫が酷くて全くまともな釣りができてません。アベレージ40cm前後、たまに60cm台が混ざる感じで、90cmオーバーへはまた一歩遠のいた感があります。数ではなく一発を狙った釣り、おかげでボウズも増えてしまいました…。
とは言え、スポーニングが本格化するまでにはもう少し時間があります。この残り2ヶ月程で何とか上げたいと思います。夜光虫祭り開催期間中は軽く腕慣らし程度に感覚を磨きつつ時を待ちます。自然相手の釣りには待ちも術です。精進します。押忍。

3 コメント:

  • ごんずい博士 さんのコメント...

    ご無沙汰です(^u^)!
    いつも面白い考察で勉強になります。
    私も中学生くらいの頃は、実家の裏に流れる材木置場の川で、キャスティングの練習をした懐かしい記憶が蘇ってきましたよ♪
    ところで、このキャスティング・・・いまでも特に軽いルアーを投げると、ときどきライントラブル発生し、『メチャ難しいなぁ~』とか思ってしますのですが、やはりルアーの重みがロッドにしっかり乗っていないからなのでしょうか?それともリトリーブ時にテンションがしっかりかかっていないからなのでしょうか?ロッドとの相性もあるのかな?とかいろいろ考えていますが、よくわかりません。ちなみに“高切れ”ってなんでしょうか?差し支えなければ教えて頂けますでしょうか?長文ですみません。関心が高かったものですから。。。

    sandijazz さんのコメント...

    > ごんずい博士さん

    いつもありがとうございます。
    ごんずい博士さんもキャスティングの練習をされてましたか。裏に川が流れてるとは羨ましい環境ですね。

    軽いルアーを投げる際のトラブル、これは確かに重いのを投げるより起こりやすいはずです。仰る通り、軽いルアーでロッドにウェイトを乗せるのは難しく、硬いロッドになるほどその傾向は強くなります。
    Lクラスや比較的柔らかいMLクラス(ダイワ製等)のロッドであればルアーが軽くても振り抜く際にロッドが曲ってくれるのでウェイトが乗り、またその感覚もしっかりと得られるため、指を離すタイミングもルアーの初速も適切でラインのテンションが一定に保たれた状態で飛ばすことができます。
    逆に、僕が使うようなMクラス以上の硬いロッドは軽いルアーではそう簡単にしなってくれないので、普通の投げ方ではなかなかウェイトを乗せることができません。
    本当はこういう時こそ振り子の原理で後ろ方向に重みを向けるペンデュラム式のキャスティングが向いているのですが、そうでなくても普段より垂らしを長めにとりテイクバック(振り幅)を大きくすることで、指を離すまでにロッドにウェイトが乗る猶予を作ることができます。テイクバックは大きくゆっくり、振り抜きは一気に、そんなイメージです。
    何だか文字で伝えるのは難しい動作ですね…;

    「高切れ」というのは、要はキャストの際にPEがプッツーンと切れてしまうことです。キャスト時に指を離すタイミングが悪かったり、リーダー結束の際に摩擦で弱ってたり、リールやロッドガイドに問題があったり、要因は様々です。

    ごんずい博士 さんのコメント...

    大変参考にありました。
    ありがとうございました(^u^)

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