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意図的にパターンを外す(ランカー捕獲のヒント)

またもや気付けば3月最終日。月1更新が危うい所でギリギリの投稿です。
最近は暴風や悪天候でなかなか思うように釣行できてませんが、私は案の定そんなストレスに潰されかけてギター片手に酒をあおる日々です。リーダーなんか無駄に何回も結び直してます。

今回は私の釣りに対する基本姿勢、「大物を狙う」ということに関して、ルアーサイズにちなんだお話をさせて頂こうかと思います。

釣行をご一緒したことがあるアングラーさんはその変態っぷりをよくご存知かと思いますが、私は普段からやや大きめルアーをローテーションの軸にしています(もちろん小場所では控えますし、小中型ルアーもローテ組みします)。
やや大きめというのは、具体的には単純にサイズのある120~150mm辺りのものであったり、シルエットが大きいもの、体高があるもの等ですが、その理由は大きく分けて3つあります。

1つ目はフックサイズ。
大きな魚を狙うことを信条としている以上、#4前後かそれ以上の番手のフックが付けられるかどうかは割と大きな選考基準となります。場所や状況、魚のコンディション次第では#8フックでも難なく獲れるランカー級もいますが、本気で狙うのであればそれに見合ったフックサイズで備えるのが利口です。

2つ目は操作性。
まず、一番は飛距離。一概には言えませんが、大きなルアーは小さいルアーよりも飛びます。
めったにウェーディングしない、叩かれた後の高プレッシャーなポイントを撃つしかない、そんな深夜就寝前アングラーの私にとって飛距離というのは武器になるのです。
そして大きいということはルアーが受ける抵抗が大きいということ。これは流れの変化や泳いでいる位置を把握するにはとても重要です。前からの抵抗感は小型ルアーでもリップがあれば分かりやすいのですが、ボディ全体が受ける水圧による抵抗感はそれなりのボリュームがないことには感じ取れません。この抵抗感によって、どこを通すべきか、どう流すべきか、どう巻くべきかといった戦略が立てられます。
これらの操作性は私の釣り方において欠かすことができない要素なのです。

そして3つ目は大物の率を上げるため。
凄く単純な考えのようですが、これにはいろいろと訳があります。

まず前置きしておかなければいけませんが、魚を釣る、サイズに関係なく釣果を上げるのが目的であればルアーのサイズを大きくするのは間違いです。これはこれまでにも雑誌その他の企画等で散々検証されてきたことですが、特に湾内そこらのポイントで魚と出逢うためには、ルアーサイズは程々に小さく、シルエットは細く、というのが定石です。大場所であってもルアーを大きくするより小中型でハイアピールなものを使うほうが釣果には繋がりやすいようです。そして、ルアーを小さくしたらランカーが釣れないということもありません。
ただ、そのやり方で大物だけを狙うには状況や操作を選びますし、食い気のある俊敏なセイゴ・フッコがいれば先に食いつかれてしまいます。単なる釣果で見れば効率が良くても、大物の捕獲率を見れば非効率になりがちです。

と、ここまでは前置きです。ここからは本題であり、経験と共に固めてきた私の釣りの核となる考えです。

これまでランカーを含め数え切れないほどのスズキ級の魚を釣ってきましたが、私の中ではある程度そういった大型個体の食性に関する行動パターンは分かってます。それが習性のほんの数%ではあるかもしれませんが、間違ってはいないと思います。
以前からこのブログでも「大物は賢い」と言ってきましたが、食性についてもそれが言えます。
大物の捕食シーンも何度も見たことがありますし、釣った魚が吐き出したベイトや胃の内容物も見たことがあります。その上でほぼ共通して言えるのは、「楽に捕食できるベイト」や「栄養効率の高いベイト」を好んで食べているということ。

「楽に捕食できるベイト」とは、ご存知の通り、弱った魚や遊泳力の低いベイトのことです。
リバーで釣りをしていると、弱って流れ落ちてきたイナやフナ・アユ等の淡水ベイトが大きな鱸に吸い込まれるのを目にすることがあります。群がるベイトに狂っている時とは違い、あたかも落ち着いて捕食しているような姿です。ランカーを狙う上で非常に実績のあるドリフト等の流すメソッドはまさにこういう性質を利用しているのです。

そして「栄養効率の高いベイト」、こちらが今回の話の本題です。
以前、「バチ抜けパターン」と言われている状況でそれに見合わない大型ミノーを使っていてランカーを釣ったことがあります。丸々と太ってパワーのある個体でした。しかし自分の至らなさ故、魚に大きなダメージを与えてしまってリリースできず、止む無く同行していた友人に持って帰ってもらいました。彼はその魚を知人の居酒屋で捌いてもらったのですが、その胃の内容物は少量のバチと未消化のメイタ、そして判別不能な魚(メバル?)でした。バチそのものよりも、「バチに集まった魚」を捕食していたわけです。
また、イワシの接岸時に釣ったランカーがコノシロを食べていたこともあります。アングラーの目に見えるベイトとは別に、実はもっと大物好みのベイトも意識していたということです。
つまり、大型の鱸にとって物足りないベイトを何度も追うより、1回で多くの栄養を摂取できるベイトを単発で狙うほうが効率が良いわけです。
これを知っていると、「ベイトパターン」という事象への物の見方が変わってきます。
バチ抜けパターンで手堅く釣果を得るには、バチを彷彿とさせるルアーを選ぶことが基本です。しかし、バチに群がる魚を「ベイト」と見なす鱸がいるのであれば、間違いなくそっちを狙ったほうがサイズへの期待が持てます。そういう鱸というのは、バチ抜け用のルアーセレクトではなかなかお目に掛かれない個体だと思います。
私は世の中の一般論とは違って「鱸が何かに偏食することは稀」という考えを持っていますが、その理由も上述の経験と事実によるものです。「その時に目の前にいる追えるベイトを追う」そして「複数のベイトが共存する状況であれば栄養的・運動量的に効率の良いほうを好む」というのがより自然な考え方だと思います。そうすれば必然的に、状況に応じて「どういうルアーをどういう風に動かせば良いのか」というのが見えてきます。

以上のことを頭に置いて釣りに臨むと、外せないパターンはコノシロと落ち鮎ぐらいのものになります。その他の大抵のパターンに関しては意図的に外す価値が十分にあると思うのです。現実的な範囲で違和感なくルアーのサイズを上げる、これを考えていくとルアーのセレクトは必然的に人とは違ってきます。

もちろん、これには前述の通り、釣果を犠牲にするというリスクは伴います。また、ルアーを選ぶ際には適材適所の状況判断も必要です。無闇にやれば本来釣れるべき魚も釣れなくなります。決して初心者向けというスタイルではないはずですが、いろんなサイズの魚をたくさん釣って経験や引き出しを増やした上で「大物だけを狙って獲りたい」という考えに行き着いたのであれば、その暁に思い出して頂ければ何かのヒントになるかもしれません。「0か100か」的なスタイルなので、「ボウズは嫌だ」という気持ちがあるアングラーにはお勧めしません。

で、そんな私の前回の投稿からの釣果はと言えば、
スズキサイズは4本釣ってますが、これがわずかに80cmへ届かない「泣きランカー」ばかり。
どれもコンディションは抜群で、この時期の湾内シーバスとしては文句なしです。
ちなみに、先日久しぶりにメバル釣りに行きましたが、こちらもひたすら釣れ続けるものの22cm止まりでした。CD-5、本当に良い仕事します。

気温もやっと春らしくなって、これから水温も徐々に上がってくるので、更なる大物を目指して精進します。押忍。

8 コメント:

  • 匿名 さんのコメント...

    バチを食う魚を食うスズキを狙うんですか!参考になりました。それと、twitterで「メバル釣れまくり」って書かれてるのを見て、てっきりワームだと思いこんでたんですが、CD-5でしたか。メバル釣るときも強気ですね!
    これからもブログとtwitter楽しみにしてます。

    sandijazz さんのコメント...

    > 匿名さん

    コメントありがとうございます。
    メバルはもちろんワームも使うんですが、常夜灯下のアミやバチにちょこちょこライズしてたんで、迷わずハードルアーを投げてました。
    他のミノーもいろいろ試しましたが、やっぱりCDが一番釣れました。
    しかし、最終的にMAXだった22cmはファットなワームでした…。

    匿名 さんのコメント...

    大型ルアーを使うなら
    K-TEN ブルーオーシャンリップレスミノー 140 は使ってますか??

    使っているのであれば、使い方を教えてください

    sandijazz さんのコメント...

    > 匿名(2)さん

    BKLMは大昔に115を使っていたことがありますが、140は使ったことがありません(当時はその質量のルアーをフルキャストできるようなシーバス用ロッドを持っていなかったので)。
    当ルアーの考案者・デザイナーであり、私が昔から尊敬して止まない二宮さんのブログに、ちょうど同じような質問への回答があります。
    作ったご本人によるものなので、私が回答するよりもよっぽど参考になると思います。
    是非ご一読下さい。
    www.tacklehouse.co.jp/ktenlab/index.php?e=58

    匿名 さんのコメント...

    わざわざありがとうございます

    これからも大物バンバン釣ってください

    楽しみにしてます

    匿名 さんのコメント...

    記事とは関係のない質問ですが

    ご使用されてる

    タックルについて教えてください

    sandijazz さんのコメント...

    タックルに関してはいろいろ持ってるのですが、普段は「SHIMANO DIALUNA S906M」と「SHIMANO '07 STELLA 4000」の組み合わせを愛用しています。このバランスが自分にとても合ってます。
    ラインに関しては0.8号PEに16~20lbリーダー(ナイロンが多いです)を結束しています。ヒラスズキや磯マル等を狙う際にはフィールドの状況に合わせて1~1.5号PE+25lb以上のフロロリーダーにすることもあります。

    匿名 さんのコメント...

    室見川で釣りをされる際はどちら側の岸でやられてるんですか?

    また室見川のナイトシーバスで多用するルアーまた室見川で釣りをされる際好きなたち位置を教えてください

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