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ルアーのカラー選択に関する考察

ルアーのカラーに関する議論というのは今も昔も尽きることがありません。
私も長年シーバスを狙ってきて、絶対的に色が関係する場面も、またその逆もたくさん経験してきました。
私の持論では、基本的に釣れない色というのは存在しません。以前、夜に波動が極めて弱いシンペンを真っ赤に塗ってほぼ巻かずにドリフトさせても釣れたことがあるので、「スズキには赤が見えない」という仮説に対しても懐疑的です(確かに可視性は低いようですが)。月光も常夜灯もない暗闇で何色を投げても釣れる時は釣れるし、日中の澄潮でも色を選ばず釣れることは多々あります。

但し、その日その場所その状況での「ヒットカラー」が生まれることがあるのも確かです。
つまり、「何色を投げても釣れないことはないけど、的確なカラーを選べるようになれば釣果は上がる可能性がある」、これが私の長年に亘る釣行での考察結果です。

というわけで、今回はメールでも数件頂いていたルアーのカラーについて、私の個人的な考えをちょっとだけ書いてみます。

1. ローリング系ルアーはベリー・サイド・バックのコントラストが重要
ローリングアクションは側面で光を反射させることでアピールします。ということは、極端な話、側面は反射素材でベリー・バックが反射しづらいカラーであればローリング時の明滅がはっきりするのでアピール度が増します。しかし、アピールが強いということは当然スレも早いので、そのバランスを考える必要があります。
※市販のもののほとんどがベリー・サイド・バック間の境にグラデーションを施しているので、不自然なほどにチカチカと明滅するものは少ないと思います。

2. ホログラム系を同じ場所に何度も投げ込むのは危険
反射素材として一般的なのはホログラム系とアルミ/メッキ系の2種類です。例えば、下記URLのシマノ「サイレントアサシン」で言えば
http://fishing.shimano.co.jp/product/lure/1553
「ハデイワシ」等はホログラム、「ボラコノシロ」等はアルミ/メッキとなります。
基本的にホログラムは昼夜問わずに高アピールで、特に近くにいる魚に対して明滅だけでリアクションバイトを誘います。一方のアルミ/メッキはナチュラルなグアニン的反射で、アピールは程々に比較的広い範囲にぼんやりと光が届きます。
初心者がタダ巻きで釣果を狙うのなら回遊系や高活性な魚を仕留めやすいホログラムを薦めますが、同じ場所で何度も見せてしまうとあっという間にスレが進んでしまいます。ランガンに向いてるカラーと言えます。

3. ブルー系の視認性はかなり高い
シーバス用のルアーとして視認性が高いとされている色はチャート系・パール系が一般的です。こればかりは魚に訊いてみないことには分かりませんが、私の経験上ではそれらに負けず劣らずブルー系の可視性は高いように感じます。光の届かない暗闇の海やディープレンジでもかなり速い動きに反応してくることが多々あります。特にローリング系ミノーのブルーバックは非常に汎用性が高いカラーだと思います。

4. 濁りが強い時のゴールド系は確かに強い
「濁りの中での赤金は強い」というのをよく聞きますが、これに関しては私の経験上でも異議なしです。本当に強いです。個人的には時間・場所を選ばずグリーン系が好きなので、強い濁りではよくグリ金を使います。ただ、そういう状況では色関係なしに波動の出るルアー投げてれば釣れるので、あまり深く考えすぎないようにはしています。
ちなみに、ゴールド系は常夜灯周り、曇りローライトのデイやマヅメでも抜群に強いです。

5. 持ってて間違いないのは黒・クリア・グリーン
上にも書いた通り、グリーン系の汎用性は非常に高くて、ナチュラルカラーとしてはとても信頼を置いています。そしてクリア系も状況を選ばず昼夜共に爆発力のあるカラーで、特にベイトが小さい時やイカ・甲殻類パターンでは必携のカラーです。ブルースコードのクリアカラーに至っては過去に何本ランカーを上げたか分かりません。
そして注目は黒。デイはもちろん、満月大潮のように月明かりが強いナイト、常夜灯周りなど、上から光を浴びる状況では個人的には最強だと思うカラーです。
昔、榎本茂さんも「水中で頭上にあるルアーを見たらどれも黒にしか見えない」と仰ってましたが、その観点から考えると、元々黒いルアーはよりシルエットがはっきりするので視認性が高いのです。しかも無駄にギラギラすることもなくスレにもめっぽう強いです。
これに関しては、昔ルアーをテストしていた際には必ず黒の油性マジックを携帯していたほどです。

6. デイゲームでのパール系について
パール系というとどうしてもナイトのイメージが定着していますが、実は昼夜問わずに使える汎用カラーです。むしろ、部類としてはナチュラル寄りだと思ってます。大抵の魚は腹部が白くなっています。ベイトフィッシュの腹を狙って頭上を意識している肉食魚にとって白が違和感のある色であるはずがありません。「日中にパール系は邪道」なんて思ってる方、騙されたと思って投げてみて下さい。派手にフラッシングするホログラム系を使うよりよっぽど釣れることがあります。

――――――――――

「シーバスは波動だけでも食ってくる」というアングラーもいますが、私の経験からの感覚では「波動で追っては来るけど、最終的なバイトは視覚」だと思ってます。大体、側線だけで捕食するような魚ならあんなに立派な目も退化してるはずです。アクションと並んで、状況次第ではカラーも釣果を左右するファクターの一つ。これは自信を持って言えます。

例外やもっと核心的な話など他にもたくさん書きたいことはありますが、今回はここまで。
最終的には自分の好きなカラーを信じて投げるのが一番です。私なんて昔K-TEN(M)のレッドヘッドパールだけで良いと思ってた時期があったくらいですから。時代を感じますね。

4 コメント:

  • TH さんのコメント...

    ブログではお久しぶりです!

    さて、今回のエントリーですが、興味深いテーマですね。
    まとめで仰られている説は、私も同意です。
    同じような波動のルアーで、白系の時はチェイスのみだったのに対して、赤系に変えた途端に食ってきた経験があります。
    波動でルアーの存在を認識し、バイトする時は視覚を頼っていると考えています。

    細かい色の違いについては、私は関係ないと思っています。
    重要なのは、光の反射率とか視認性のような気がします。
    大まかに反射系、クリア系、マット系で使い分けています。
    例えば、橋脚のスレシーバスを狙う時にホロや白っぽいのは使いません。

    しかし、売っているルアーは何故かアピールの強いのが多いですよね…

    sandijazz さんのコメント...

    > THさん

    どうも、いつもありがとうございます!

    実際に釣行を重ねると明らかにシーバスが色を認識していること(というか、捕食に視覚を使っていること)が分かる場面がありますよね。
    恐らく彼らはド近眼なんで、目で見えない範囲のベイトは側線を頼りに、距離を詰めた後はまさに五感をフルに使ってベイトを捉えているのでしょう。

    私もTHさんが書かれていることにほぼ同意見です。フラッシングかシルエットか、あるいはその両方か、これは状況に合わせたルアーセレクトの肝です。
    反射系・クリア系・マット系、間違いないですね。

    > 売っているルアーは何故かアピールの強いのが多い

    …これを言っちゃうと一部の方々に怒られるかもしれませんが、私が見ている限り、ほとんどのアングラーは回遊系の魚を釣ってます。都市部のメジャーポイントに居着いてるような狡猾でスレた魚を釣り上げることができるアングラーは極々少数です。
    そうなると、アピールの強いルアーは回遊系を狩るのに手っ取り早い手段なわけで、細かいテクニック等関係なしに一般のアングラーと魚との距離を縮めることができるのです。
    巻けば誰でも釣れる、使い手を選ばない、そんなルアーが売れるのは当然のことで、メーカー(一部を除いて)としても目指す所はそこです。

    私が言わんとしていることはお分かりかと思いますので、ここから先は書きませんw
    アングラーもメーカーも「できるだけ場を荒らさず、周りや後で入るアングラーのことまで考えて釣りをする」ということを考えていく必要があるでしょうね。

    匿名 さんのコメント...

    お疲れさまです、初コメです^^

    私も基本的な考えはSJさんと同じです。
    釣れない時と同様に釣れている時も、あれ
    これ試したい事は山ほどありますが、
    なんせ魚がね~(爆)
    台風後に期待しましょう。

    それからtwitter始めましたので
    宜しくお願いします。まだなんも
    わかりません(汗;)

    あと、チームブログにリンクさせて
    いただきます^^

    sandijazz さんのコメント...

    > Y.S.さん

    「匿名」となってるのでどなたかと思いましたが、すぐに分かりました!コメントありがとうございます!!

    本当に、シーバス狙ってると試してみたいことは尽きませんが、魚が居ないことには答え合わせができません;
    台風明け、水温と荒れが落ち着いてからどう状況が変わるか、期待したいところですね。

    Twitter、早速フォロー返しさせて頂きました。同じホームの大物キラーなアングラーさんのお声、いろいろ聞かせて頂けると嬉しいです。

    リンクの件、ありがとうございます。
    このブログには現状リンク枠を設けてないので、近く作りたいと思います。その際にはこちらからもリンクさせて下さい。

    なかなか釣行時間が合わないかもしれませんが、今度機会があればゆっくりとご一緒させて下さい。
    確か、「シンペンコレクター」とどこかで拝見した記憶があります。この話題は盛り上がるかもしれませんw

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